こんにちは、@MieチャットルームのMIEです。日本とオーストラリアで子育てをした経験から、わたしが感じた両国の教育の違いをお伝えする【豪州国と日本の幼児・初等教育ココが違う!】シリーズ。第1回目の「SHOW&TELLから見る日本と欧米国の教育の違い」に引き続き、第2回目となる今回は「環境保全」をテーマにお伝えしたいと思います。
オーストラリアで生活した人なら誰でも感じると思うのですが、オーストラリアは国民一人ひとりの環境に対する意識の高さが非常に高いです。その意識は動植物の保護から水やエネルギーの節約、生活環境から出るゴミの軽量化に至るまで生活の随所に見られます。
MIE
ずっと答えがわからずにいました。子どもがこちらの幼稚園・小学校に通いはじめるまでは。。。
オーストラリアの教育現場では、環境保全に対する意識を育むプログラムがごく自然に、そして柔軟に組み込まれています。
今回は、そんな初等教育で導入されている取り組みを、実際の現場の様子をお見せしながらご紹介したいと思います。
自由で遊び中心の環境で学ぶ

私たちが子供のころ「知り合いの人に会ったらまず元気よく挨拶しましょう!」と教えられませんでしたか?こちらの幼稚園では挨拶云々は正直あまり重要視されていません。
日本の幼稚園では毎日のルーティン、協調性、最低限の行儀作法といったことを学びますが、オーストラリアの場合、先生からの指示も最小限なもので、園児たちはと言うと、一日の大半を園庭を裸足で駆け回って自由な時間を過ごします。
それは「自由な遊び中心の環境で学ぶ」ことを重要視しているためです。
遊んで学ぶ2大イベントを挙げてご紹介します。
1つ目は、ほぼどこの幼稚園でも卵をひなにかえす観察が行われること。
子どもたちは観察を続けたのち、小さな命が誕生する瞬間に立ち会います。
並行して絵本やYouTubeなどでも卵から成虫に育つまでのライフサイクルについて学び、命の大切さを実践から知識へと掘り下げ学びます。

2つ目は、園児たちが一番興奮するイベント。それは動物保護施設職員の訪問です。施設から専門家が複数の動物や爬虫類、昆虫を連れて幼稚園を訪問します。わたしの子ども達もイベントの数日前からとても楽しみにしていた記憶があります。
園児たちはそれぞれの動物の習性や生息地などについて専門家から直接話を聞いて学び、実際に動物たちと直に触れ合う機会を持つことで知識を感覚を通して身に付けていきます。
檻に入った動物をただ鑑賞するのとでは学びの深さが違いますよね。
児童主体で取り組む環境プログラム
緑の兵士“Green Warriors”

わたしの子どもの通う小学校では、Green Warriors(緑の兵士)と呼ばれるグループがあり、毎週金曜日の午後に校内の野菜畑やコンポスト周りで作業をします。就学前の園児も保護者と一緒に参加でき、地域に開かれたコミュニティーの場にもなっています。

また、学内では鶏も飼育していて、畑で採れた野菜と一緒に卵も学食のキッチンで調理されます。お昼ご飯の残飯などはコンポストにして土に返し、肥料として畑に返します。「自分の口に入るものがどこから来たのかを知っている。」そうした意識と感覚が身に付きます。
学校の枠を超えた取り組み
オーストラリアの学校には自然環境に詳しい専門性の高い教員が環境保全に関わる取り組みを先導しています。

写真は、Eco Marine Ambassadorsプログラムといって、州の各学校から代表として選出された生徒(Ambassadors)が集まり、教員の引率の元、実際に海洋保全に取り組む施設を訪れ現場で学んでいる様子です。
Ambossadorsは、全校集会で全生徒に自分たちが体験を通じて学んだことを報告します。
少し本題からはずれますが、生徒たちは勉強やスポーツの成績以外にこうした活動で評価される機会を多く与えられます。こうしたオーストラリアの多様性を認め合う姿勢は素晴らしいと思います。
まとめ
この記事を読んで、虫や爬虫類(例えば蜘蛛や蛇)を「可愛い~。」というオーストラリア人が何故多いのかということもお分かりいただけましたね?(笑)
小さい頃の教育、生活環境というのは生涯にわたって影響を及ぼすことに改めて気付かされます。
日本で子どもを京都市の小学校に就学させた2年間、昔と比べると随分地域に根差した環境への取り組みがなされるようになったなぁと感じました。
各家庭でも家庭菜園やキャンプなど、子どもと自然の中で楽しまれているご家族ともたくさん出会いました。これからもどんどん増えていってほしいです。
さて、次回の最終回では「原住民アボリジニとの関係からみる歴史との向き合い方」というテーマでお届けしたいと思います。
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